映画の海に漕ぐ

ランダムに借りてきたDVDで観た映画の記録

3月のライオン

 大友啓史監督、神木隆之助主演の「3月のライオン」を観た。
 いい映画だった。2日間に渡り、前編・後編と観た。どちらも2時間以上で長かったけれど、もっと観ていたかった。
 孤独を描くことで、人はひとりではないことを伝えているような映画だった。プロ棋士の世界は凄絶なのだろうと感じた。戦うという言葉が、これほどふさわしい世界はないのではないかと思うほどだ。努力してなれるものでもない、選ばれた者だけの世界。心血を注いで努力しているのに、自分ではそうと気づかないほど、とことん努力できる者だけが選ばれていく世界なのだろう。
 世の中には天才もいればろくでなしも確かにいて、そのどちらでもない人がほとんどだ。そして、天才は天才なりに、ろくでなしはろくでなしなりに、どちらでもない者はどちらでもないなりに、もがきながら生きていて、結局はその誰もがただの人間に過ぎないとも言える。
 キャストはみなはまり役に思えたが、高校教師役の高橋一生が、いい味をだしていた気がする