映画の海に漕ぐ

ランダムに借りてきたDVDで観た映画の記録

本能寺ホテル

 綾瀬はるか主演の「本能寺ホテル」を観た。
 現代人が何かの弾みで遠い昔にタイムスリップする、という映画や物語が、その時代や場所を変えていろいろ作られているのは、時の流れを止めたり、遡ることができたから、と夢見る人が多いからなのだろう。
 どんなに科学技術が発達しても、タイムマシンだけは作れないに違いない。あのとき別の道を選んでいたら、とか、こうなることが分かっていたら、という大小さまざまな思いは、きっと誰の中にもあるのだと思う。
 ならば、本能寺の変によって自害した織田信長は、その晩、明智光秀の謀反を予測できたなら、と思っただろうか。
 おそらくはこの映画を観た影響なのだが、織田信長明智光秀を恨みながら後悔の念の中で絶命したとは思えない。もしかすると、謀反を予測していたかもしれない。予測とまではいかなくても、あり得ないことではない、という程度の心積もりはあったかもしれない。
 自分の生き方、というと大げさな気もするが、今していることや、今日の選択が、どんな結果になろうと悔やみはしない、というささやかな覚悟のもとに、毎日を送っていこうと思う。自分が、そうするべき年齢に達したように思う。
 映画の中の、「誰もできなかったんじゃない、誰もやらなかっただけだ」という織田信長のセリフが印象に残った。